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プロフェッショナル「安田和光」の眼

・生活スタイルとインプラント
そもそも歯は、胃や腸とならぶ消化器の1つであり、摂取する食物に対し、第一番目にアプローチする重要な役割を果たしている。食物は歯によって口腔内で粉砕され、唾液の成分と共に消化されていく。この時、食物が胃へ移行する前にきちんと消化され易い状態になっていなければ、胃への負担が大きくなってしまう。これは結果として、私たちの体にとって非常に大きな負担となる。一方、噛む動作をしっかりと行うことで、咀嚼筋を通じて脳への血流が多くなり、脳は活性化する。

ある歯科矯正学の論文では、80歳になっても正常な咬合を保有するグループは、そうでない同年齢層のグループと比べた時に、はるかに健康であるという結論が出されている。これはつまり、食事をしっかりと消化できることがいかに重要であるかを示していると言えるだろう。歯がない、あるいは噛み合わせが良くないことにより、身体のバランスや骨格に悪影響が及ぶことも取り沙汰されることがあるが、そういった骨格的要素よりもはるかに、食物の消化という面が大切だと私は考える。実際、日々の診療を通して感じていることだが、ご年輩の方で、元気で活力のある方は、歯もしっかりとしているケースが非常に多く見受けられる。

だから、たとえ歯が欠けてしまったり、あるいは歯を失った場合でも、インプラントによって正常な咬合を回復することは、健康に直結すると言えるのだ。実際、これまで義歯では充分に食物を消化できなかった方々が、第3の歯とまでいわれるインプラントの確立により、まるで自分の歯のように好きなものを噛める口腔環境を取り戻せるようになった現在の状況は、インプラントから健康という多大な恩恵を享受できる条件が整ったということに他ならない。